LIFE LOG(花巻ビュー)

花巻ビュー

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宮沢賢治産湯の井戸

2023年8月11日、編集公開しました。
花巻が気になる方に、お役に立つかもしれない情報を発信してまいります。
下記は2017年の公開時の画像、一般公開時には紅白幕紐が飾られるようです。

新型コロナが蔓延する前までは、公開初日に水をくみ上げる「お披露目式」、更には公開最終日に「塩清めの儀」があったようですが、2023年はお披露目式と塩清めの儀が行われたか行われるかわかりません。
よくニュースにもなったようですが、2023年は見ることがありません。

www.iwanichi.co.jp

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目次

賢治さんが産湯に使った井戸

井戸が大切に保管されていることへの感謝を込めて。

今回も宮沢賢治さんに関連する場所を紹介いたします。
花巻市鍛治町の宮沢賢治産湯の井戸」です。
宮沢賢治さんは「銀河鉄道の夜」や「注文の多い料理店」などの名作を残した作家として知られていますが、そんな賢治さんが生まれた時に使われた井戸が今でも存在しているのは感動的です。

宮沢賢治産湯の井戸を訪ねる

2023年8月10日、新型コロナ感染は増加傾向にあるものの、岩手県外ナンバーの車両を見かける、いわゆるお盆休みに突入した感がある花巻市内の光景です。
マルカンビル大食堂を利用する人で11時過ぎは車両が連なり、駐車場が空くのを待っている状態です。

 

産湯の井戸の特別一般開放は17時までのようです。
2023年8月9日、17時10分頃門はすでに閉まっていました、残念。

2023年8月10日、改めて訪れました。
開いててよかった、私は3回目の訪問となります。

花巻市鍛治町のバス停を目印にいらしてください。
賢治さんモニュメント、ベンチもあります。

花巻の老舗の宮沢商店さんの敷地内にございます。
普段は門が閉まっています。

ちなみに宮沢商店さんに対する私のイメージは「塩販売」ですが、現在は石油やガソリン、花巻空港でお土産品等を取り扱っています。

上記は門外の掲示板、下記は敷地内の掲示板、それから抜粋いたしました。

宮澤賢治の母イチの実家(賢治誕生の家)

宮澤賢治は、明治29年(1896年)8月27日稗貫郡花巻川口町大字里川口(花巻市豊沢
町で生まれたことになっています。しかし実際は、母イチの実家、ここ鍛治町の宮澤善治家(宮善、現在宮澤商店)で誕生したのでした。それは当時は産院がなく、長子は母親の実家に戻って出産するのが常であったのです。
賢治の母方の祖父善治は、温厚篤実の人。意志強く聡明で、勤勉、努力家でした。砂糖、小麦粉、雑貨、荒物、灯油などや当時専売品であったタバコ・塩を扱い質素倹約、商売熱心で両親や子供たちなど家中相和し、力を合わせて仕事に励み繁盛いたしました。
イチはその長女で、父善治や母サメのすぐれた気質をそっくりうけついだ慈悲ぶかく上品で あり、また、明るいユーモアをもち笑顔を絶やさぬ人としても伝えられ 「日本の母」と評する人もいる程でした。
第二次大戦中の昭和20年8月10日、花巻は空襲を受けましたが、幸いにも当宮澤家は戦災を免れました。当時の建物や蔵、井戸、池などが今も残っており、賢治が生活した明治・大正・昭和初期の風情が感じられます。

うぶゆ 賢治 『産湯の井戸』

ここ鍛治町地区は、豊沢川の伏流水が地下水脈を形成しているとみられ、水量の豊富な井戸が各家にありました。
この井戸は、母イチが宮澤賢治を出産する前から使用されていたものです。賢治生誕の当日、母イチは午前4時ごろ陣痛、7時出産と伝えられ、祖父善治にとっては初孫 である賢治の出産で、宮澤家では、この井戸から水を汲み上げ、産湯を沸かして準備するなど、さぞあわただしかったことでしょう。
賢治の生まれた8月27日の5日後の31日午前5時、真昼岳(岩手・秋田県境)を震源とする 「陸羽大地震」(マグニチュード7.2)が起きました。この時、父政次郎は適用で不在。 初孫を心配して、波のようにゆれる地面をようやくふみしめながら鍛治町までたどりついた父方の祖母キンが見たのは、20歳の嫁イチが、生まれたばかりの賢治をかばうために、のりかかるように上体をおおって、一心にお念仏をとなえている姿であったと伝えられています。(堀尾青史著 「 宮澤賢治伝」 参照)

  • 公開期間 8月1日~31日
  • 公開時間 AM9:00~PM17:00

宮沢賢治産湯の井戸とは?

  • 花巻・鍛治町の宮沢家敷地(私有地・現在は宮沢商店)にある賢治生誕、産湯の井戸(賢治さんは父方も宮沢ですが、母方の姓も宮沢です)です。
  • 一般公開は毎年8月(8月以外も宮澤商店さんのご好意で見学可能な場合もあるようですが、新型コロナ感染等で難しい場合が多々あると思います)です。
  • この井戸は、日本を代表する童話作家・詩人である宮沢賢治さんが生まれた際に使われた産湯の井戸として知られています。

2023年は紅白幕紐はありませんでした。
まだまだ様々な不安がある世の中ですからね。
井戸のふたも開いていませんし、以前訪れた際はどなたかいらっしゃったのですが、当日はどなたもいらっしゃいませんでした。
声をかけるのも何だか申し訳ないような気がして、短時間で見学して戻りました。

 

以前の産湯の井戸公開

数年前に訪れた際は井戸の中が確認できるようになっています。

案内役のおかあさんが親切に水の汲み方を教えてくれました。
深くて底が見えませんでしたが、水は今でもしっかり湧き出てくるそうです(当時)。

井戸の手前の倉庫的なスペースは変わりません。
いわゆる「こうもり」と「半被」が掛けてあります。
確か前回(新型コロナ前)は賢治さんが大好きだったサイダーが置いてあったと思います。

井戸は石垣で囲まれた小さなものです
水は確認できませんでしたが、まだ湧き出ているのかもしれません。
賢治さんの想像力や感性やメッセージが、井戸を通して伝わってくるような気がします。

2023年もこの井戸に訪れて、本当に良かったと思います。
宮沢賢治さんのファンであれば、ぜひ一度訪れてみてください。

 

宮沢賢治さんの作品を読むだけではなく、賢治さんの生まれた場所や水に触れることで、賢治さんをもっと深く理解できるかもしれません。
さあ、井戸に挨拶をして門を出ました。

以上、花巻市鍛治町の宮沢賢治産湯の井戸」を紹介しました。
皆さんもぜひ行ってみてくださいね。
新型コロナ感染の影響でイベント開催等に影響はありますが、8月は賢治さんに関するイベントが多くなっています。
観光には最適なシーズンです。

宮沢賢治産湯の井戸、花巻の素晴らしい財産です。

賢治さんを感じる度

★★★★★★
親しみ度 ★★★★★
癒され度 ★★★★★